ドイツの貿易黒字は昨年2,850億ドル（2,520億ユーロ）となり、過去最高を更新した。Ifo経済研究所の試算をもとにロイター通信が2日報じたもので、黒字幅は2位中国（1,500億ドル）と3位サウジアラビア（1,000億ドル）の合計を上回っている。ドイツに対しては貿易・経常黒字の削減を求める声が国際的に強まっており、同国への批判は一段と高まりそうだ。
Ifoの研究員は貿易黒字が拡大した理由として◇米国や英国などユーロ圏外の主要な輸出先国で景気が良好だった◇石油安で輸入高が小幅な伸びにとどまった――を挙げた。
経常黒字は約300億ユーロ増の2,200億ユーロ弱に拡大し、対国内総生産（GDP）比率は7.5％に達した。欧州連合（EU）の欧州委員会は昨年3月、同比率で6％超が持続すると域内の経済的な安定が損なわれるとして、独政府に内需拡大を勧告したが、効果が出なかった格好だ。
Ifoによると、今年は経常黒字が約2,400万ユーロ、経常黒字の対GDP比率が8％にそれぞれ拡大する見通し。昨年に引き続き、ユーロ圏外の主要国向け輸出と石油・ユーロ安がけん引車になるという。
