通販大手の独オットー（ハンブルク）が20日発表した2015年2月通期決算の純損益は1億9,600万ユーロの赤字となり、前期の黒字（1億9,400万ユーロ）から大幅に悪化した。赤字計上は1949年の会社創設後初めて。不採算の仏・米子会社の再建コストやロシア販売の大幅減が響いた格好で、営業利益（EBIT）も前期の4億100万ユーロから7,900万ユーロへと激減した。ネット通販事業が振るわないこともあり、同社は事業再編方針を打ち出した。
ハンスオットー・シュラーダー社長は記者会見で、123ある子会社のうち6～8社を売却ないし合弁化するほか、競争力の強化に向けては新しい事業モデルやIT、物流の拡充に1億ユーロのケタ台の投資を行う意向を表明した。
15年2月期の売上高は前期比5％増の120億5,700万ユーロだった。ネット通販も5％増えて65億ユーロに達したものの、新興のツァランドなどに比べ成長のスピードは遅い。
16年2月期は売上高で3％増の121億ユーロ、税引き前損益で黒字転換をそれぞれ見込む。
