医薬品開発を手がける独バイオ企業モルフォシス（マルティンスリート）が独自の販売部門を立ち上げる計画だ。ドイツのバイオ企業は経営規模が小さく自ら販売を行うのが難しいとされてきたが、モルフォシスは同国の競合に先駆けて自社製品の販売を開始。製薬会社化の道を一歩、踏み出す。モルフォシスのサイモン・モロニー社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたもので、正式決定したとしている。
来年末をめどに販売分野で採用を開始し、事業部門を構築していく。最初に採用するのは医薬品の専門知識を持つ人材で、当局や顧客企業団体との接触に当たる。
販売要員は新薬発売の約1年前に採用する考え。同社が開発中の医薬品で治験が最も進んだ段階にあるのはがん治療薬「MOR208」で、2020～21年の市場投入を見込んでいる。
モルフォシスは事業規模が小さいため、販売活動を欧州に絞り込む見通しで、欧州域外については提携先を模索することになりそうだ。
