独パイロット労組VCがルフトハンザ航空を対象に8日再開したストライキは違法として同社が差し止めを求めていた係争で2審のヘッセン州労働裁判所は9日、1審判決を破棄しVCにストの即時停止を命令した。ストの目的が労組の権限を逸脱しており違法だとしている。最高裁への抗告は認めておらず、VCは敗訴した格好だ。
VCはパイロットが給与を受給しながら勤務を免除される最低年齢（事実上の退職年齢）をルフトハンザが現在の55歳から引き上げようとしていることに反発。昨年4月から断続的にストを行っており、8日に13回目のストを開始した。
これに対しルフトハンザは、VCのストは勤務免除の最低年齢引き上げ反対を口実にしているものの、実際は同社が進める格安航空会社ユーロウイングの拡充阻止を狙っていると批判。格安航空事業の強化は労使共同決定の対象案件でなくこれを阻止するためのストは権限濫用だとして8日に差し止め訴訟を起こした。ヘッセン州労裁はこの見解を支持し、スト中止を命じた。
ルフトハンザは9日のフライトを臨時ダイヤで運行したため、ダイヤの正常化は10日となった。
