化学大手の独ランクセス（ケルン）は22日、業績不振の合成ゴム事業をサウジアラビアの国営石油会社であるサウジアラムコとの合弁に切り替えると発表した。今月中旬には英イネオスと合弁交渉を行っているとの報道があったが、ランクセスはサウジアラムコに白羽の矢を立てた。同取引は独禁当局の審査を経て来年上半期に成立する見通し。
折半出資の合弁会社をオランダに設立する。新会社の売上高は約30億ユーロ（2014年実績ベース）、評価額は27億5,000万ユーロ。新会社の最高経営責任者（CEO）はランクセス、最高財務責任者（CFO）はサウジアラムコがそれぞれ送り込む。
ランクセスは今回の取引でサウジアラムコから約12億ユーロを取得。そのうち4億ユーロを将来の成長に向けた投資、同4億ユーロを債務の削減、2億ユーロを自社株買いに充てる。
サウジアラムコは原油採掘から合成ゴムの原料であるブタジエンの製造までを手がけていることから、同合弁は原料を安定的に確保できる。
