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2015/9/23

企業情報

オルカン・エナジー―大手2社が出資―

この記事の要約

工場などの排熱を利用した発電装置を手がけるドイツの新興企業オルカン・エナジー(ミュンヘン)は16日、工業ガス大手の仏エア・リキードが同社に資本参加したと発表した。エネルギー大手の独エーオンもすでに出資しており、オルカンは […]

工場などの排熱を利用した発電装置を手がけるドイツの新興企業オルカン・エナジー(ミュンヘン)は16日、工業ガス大手の仏エア・リキードが同社に資本参加したと発表した。エネルギー大手の独エーオンもすでに出資しており、オルカンは大手2社から資本を獲得したことになる。出資者から得た資金をテコに事業を拡大していく意向だ。

同社はミュンヘン工科大学の研究プロジェクトを母体として2008年に設立された企業。排熱で発電すれば省エネとエネルギーコストの大幅削減につながると考えてアンドレアス・ジッヒェルト社長が起業した。

排熱発電は従来、コスト的に見合わないと考えられてきたものの、同社はすでに1キロワット時(kWh)当たり5~6セントを実現した。これは石炭発電に匹敵する水準。ジッヒェルト社長は『ハンデルスブラット』紙に「調達や生産で規模の効果を活用できれば、1kWh当たり 2~3セントも可能だ」と言い切った。

大手企業が相次いで資本参加したのは将来性が高いと判断したためだ。同紙によると、エア・リキードは約500万ユーロを出資したという。