ロシア政府が本年度予算の見直しを検討しているもようだ。原油価格の下落で歳入不足に陥る可能性が強いためで、支出を10%削減する必要があるとしている。今月15日までに各省庁が提出する支出削減案を受けて、3月末までに予算を組みなおす方向という。
ロシア産原油の指標であるウラル原油価格の平均は昨年、51.23米ドルと、前年の97.6ドルから47.5%も低下した。12日現在では28ドル台とさらに低迷している。
ロシアは歳入の約4割を資源産業に頼る。本年度予算の計算の下敷きとなるウラル原油価格の平均は50ドルで、政府は財政赤字の国内総生産(GDP)比を3%(2兆3,600万ルーブル=339億ドル)と予想する。また、インフレ率は6.4%以下、GDPは78兆6,730億ルーブル(1兆1,200億ドル)を見込んでいる。
政府はこれまで、財政赤字を危機に備えた準備金で穴埋めしてきたが、その残高は2015年初めの4兆9,460億ルーブルから2兆6,000億ルーブル減少した。現行予算でも今年末には1兆510億ルーブル(164億ドル)まで縮小し、来年からは赤字を相殺できなくなる。(1RUB=1.55JPY)