ハンガリー政府、製造業の強化を目指す

ハンガリー政府は2020年までに国内総生産(GDP)に占める製造業の比率を現在の24%から30%へ引き上げる目標だ。付加価値の拡大に向けて、経済の軸足をイノベーション(革新技術)へシフトし、競争力を強化するとともに輸出の可能性を広げる。7業界を重点的に支援する方針で、数カ月後に関連省庁が行動計画を完成させる見通しだ。

この計画は、19世紀に安全マッチを発明したイーリニー・ヤーノシュにちなみ「イーリニー計画」と呼ばれる。支援の対象となる産業は、◇自動運転技術や電気自動車を柱とする自動車◇特殊機械・工具製造◇医療観光などの保健◇食品◇バイオマスやバイオ燃料の生産・利用設備の整備を進めるグリーンエコノミー◇情報通信技術(ICT)◇防衛産業の7つ。各業界を管轄する専門官庁が分析作業を行い、行動計画を策定後、国家経済省が調整する。行動計画は数カ月後に完成する見通しで、これに基づき予算などが具体化する。

必要資金は欧州連合(EU)の助成と政府予算でまかなう。企業も相応の負担を求められる。同時に、EU助成に応募する企業の努力も指摘されている。また、イノベーションを実現する基盤として、高等・職業教育や研究開発の充実も予定される。

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