チェコ政府、代替エネルギー車普及を促進

チェコ政府は電気自動車(EV)と天然ガス自動車を含む代替エネルギー車に対する助成措置を導入する計画だ。企業のEV購入に対し補助金を支給すると共に代替エネルギー車を政府調達の対象とするなどし、同国における代替エネルギー車の普及を促す構えだ。

産業貿易省は今年、欧州連合(EU)のCO2排出抑制技術に対する支援プログラムの1つ「企業と競争力強化のためのイノベーション」の枠内で得られる補助金から8,000万コルナ(約300万ユーロ)を支出し代替エネルギー車を調達する。また企業におけるEVの購入を促すため高級車やオフロード車、スポーツカーを除く中型車、小型車及び商用車に対する助成金を支給する。最低助成額は7万コルナで1企業当たり最大300万コルナを支給する。従業員50人以下の小企業は必要額の70%、250人以上の企業には50%までの助成を受けることができる。自前の燃料充填設備の設置に際しては最大5万コルナを助成する。

加えてEUの「統合地域運営プログラム」から、近距離の公共交通機関を運営する地方自治体に対し資金支援が行われる。7月末を申込期限とするこの補助金は、圧縮天然ガス(CNG)、液化天然ガス(LNG)、電気及び水素の各エネルギーの購入を助成するもので、最大15万コルナが支給される。

また環境省もEVの普及に向けた活動を強化する。世論を啓発するため環境省が国家環境プログラムから数百万コルナの資金を支出する他、現在商用車に課されている道路税をすべての車両に拡大し排出ガスの量に応じて課税することで排出量の少ない車両を優遇する措置を導入することも検討している。

政府は2030年までにおよそEV25万台、CNG車30万台の普及を目指す国家行動計画「クリーンなモビリティ」を発表した。同計画にはEV用充電スタンドを1,300カ所整備し、首都プラハを含む14の州都と自動車道沿線での利用を可能とする計画が含まれる。チェコ電力(CEZ)やドイツのエネルギー企業イーオンは今年から来年にかけて充電スタンドを拡充していく予定だ。

また公共CNG充填スタンドの数は2020年までに200カ所まで増える見通しだ。現在国内を走るCNG車両1万3,000台に対しCNG充填スタンドの数は112カ所。イーオンに加え独同業のRWEと地元企業Vemexがガスプロム・ゲルマニアと協力してスタンドを開設する意向だ。

同国における昨年の新車登録台数のうち代替エネルギー車の占める割合は2%に達した。販売台数はおよそ5,300台。CNG車の販売台数は前年から倍増した。EVは30%増だった。チェコ電力(CEZ)によると、同国で使用されているEVは1,000台で今年末には1,500台まで増加すると見られている。(1CZK=4.55JPY)

上部へスクロール