ロシアよりも厳しいアゼルバイジャン~性的マイノリティの暮らし~

同性愛、両性愛、性別越境者、性分化疾患(LGBTI)といった性的マイノリティが暮らしやすい欧州の国ランキングで、アゼルバイジャンがロシアをしのいで堂々のワースト1位となった。

アゼルバイジャンでは同性愛は合法だが、その人権を保護する法律はない。偏見・憎悪に起因する暴力事件や差別が多く発生し、政治家の発言もこれを助長している。現地活動家によると、LGBTIが家族など周りにいる人から肉体的、心理的、経済的虐待を受けるケースは年間数百件に上る。本来の自分を隠して生きなければならなかったり、国内にいられなくなったり、自殺、そして他殺によって命を失ったりしているという。

欧州議会は2015年9月、アゼルバイジャン政府に対しLGBTIの保護を求める決議を採択した。しかし、人権団体関係者はその効果は期待できないとみる。

というのも、差別感は一人一人に浸透しており、息子や娘に対しても容赦がないためだ。子どものときにソ連崩壊を体験した若く教養の高い親たちが、ようやくありのままの事実を受け入れ始めたところだからだ。

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