スロバキア自部品産業、熟練労働者の確保が課題

コンサルティング大手のプライスウォーターハウス・クーパース(PwC)は16日、スロバキアの自動車産業に関する報告書を発表し、熟練労働者の確保が課題だと指摘した。同国に拠点を置く80%以上の自動車部品メーカーが、労働者の数と質の確保が生産の障害となっており、約40%の企業は、そのことが新規の契約獲得の際の障害になっていると考えている。

同報告書はPwCがスロバキア自動車工業会(ZAP)とスロバキア自動車研究所(SAI)と共同で行った調査に基づくもの。人材確保の問題について同報告書は、例として試用期間中と雇用開始後1年間の離職率が高いことを挙げ、企業のコスト負担を大きくする要因になっていると指摘している。企業側は教育と職業訓練を並行して行う人材育成プログラム「デュアルシステム」の導入により問題が改善されることを期待しているが、それによって労働者の質の問題を解決できるかは未知数だとし、今後3年間は熟練労働者の数は増加しないだろうと予想している。

一方同報告書は、スロバキアの自動車部品産業は生産性や品質、納期の点で他国と比較しても優れていると評価した。また2016年の同産業の見通しについては、企業は売上増と人材の質の向上を予想するなどポジティブな見方を示しているとしている。

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