中欧石油最大手のMOL(ハンガリー)が、昨年夏に撤退したオーストリアのガソリン小売市場への再参入を検討している。下流事業を統括するホルヴァット専務取締役が17日、オーストリアの経済紙『ヴィルトシャフツブラット』に明らかにしたもので、国内全土でガソリンスタンド網を展開する企業の買収を狙っているという。
MOLは2008年にオーストリアのガソリン小売市場に参入したものの、市場規模が小さく、採算が合わなかったことから撤退した。一方、石油精製品の卸売事業は物流・貯蔵両面が整備され顧客数も多く、年間約9億フォリント(約280万ユーロ)を売上げる中核事業となっている。
MOLは小売り事業ではハンガリー、クロアチア、スロバキアで最大手。チェコ、ルーマニア、セルビア、スロベニアでも上位3社に名を連ねる。(1HUF=0.39JPY)