露大統領、バシネフチ民営化を承認

ロシアのプーチン大統領は先ごろ、国営石油会社バシネフチ(Bashneft)の民営化を承認した。株式売却益で石油価格の下落により生じた財政赤字を補てんする意向だ。売却先や売却価格については確定していない。

ウリュカエフ経済発展相は2月に、民営化の可能性がある石油会社2社の1つとしてバシネフチの名前を挙げ、同社の株式は既に上場されていることから他の国営企業に比べ売却はスムーズに運ぶとの見通しを示していた。現在、ロシア政府が全株式の50%プラス1株、同社が本拠を置く南部バシコルトスタン共和国が25%プラス1株を保有している。政府は保有する全株を売却する意向だが、バシコルトスタン共和国は自らの保有分を引き続き保持すると表明している。

ウリュカエフ経済開発相は同社と、もう一つの政府系石油会社ロスネフチの政府保有分の売却益は合計で約3兆ルーブル(約407億ユーロ)に上ると見ている。売却価格については株式の市場価格に100%のプレミアを付けた額が検討されているが、一部関係者はそうした価格での売却の成否について懐疑的な見方を示している。

売却先については、シュバロフ第一副首相がルクオイルと交渉中であることを4月に明らかにしていた他、同国タタルスタン共和国の石油会社タトネフチ傘下の天然ガス企業タトネフチガスや、ロシアの独立石油会社(NNK)などが関心を示している模様だ。

今回の民営化に関する幹事会社には政府系銀行VTBの関連会社VTBキャピタルが指名されている。(1RUB=1.67JPY)

上部へスクロール