トルコ、電気・電子機器や医療、エネルギーが有望分野

トルコで電気機器・設備の生産が拡大している。同国統計局(TUIK)によると、電気機器の生産額は1‐3月期に前年同期比で1.1%増加した。世帯数の増加に伴い、家庭用及び台所用機器とエンターテイメント機器の需要が増えており、メーカーは生産施設の拡大と流通網の充実につとめている。

電気通信分野では主にモバイル通信網の拡大と刷新が図られている。同国の情報通信技術局(BTK)は昨年8月末、第4世代通信技術(4G)を今年4月までに導入すべく、同国のトゥルクセル、トルコテレコム傘下のアヴェア(Avea)、英ボーダフォンの3社に対し免許を交付した。新たなモバイル通信基準を達成するには現在10万カ所ある地上局を最低でもさらに3万カ所増やす必要があるほか、光ファイバー網も現在の6倍の150万キロメートルまで延長しなくてはならず、こうしたインフラ拡充には75億ドルに上る投資が必要になる見通しだ。

また、医療技術関連の市場規模は2015年時点で27億ドル、成長率は年率6%に達する。既存の病院事業者が施設を拡大する一方で新規投資も増えている。政府は医療ツーリズムの拡大も目指しており、健康省は23年までに海外からの受け入れ患者数を現在の50万人から200万人まで増やすことを計画している。それにより200億ドルの外貨獲得を見込む。

エネルギー生産量の拡大も続いている。新規の発電所の操業開始により、現在の総発電量は7万2,456メガワットとなった。それに伴い同国産の発電用石炭の採掘量も増加している。一方、再生可能エネルギーでは風力発電の増加が著しく、23年までに2万メガワットまで拡大する見通しだ。

当局の認可が不要な1メガワット以下の太陽光発電事業に対する関心は高い。電力会社は地域ごとにサービスの質の向上と安定供給の実現に向けた投資を行っている。

上部へスクロール