トルコ、翌日物貸出金利を9%へ引き下げ

トルコ中央銀行は21日、政策金利の上限にあたる翌日物貸出金利を0.5ポイント引き下げ、9%とすることを決定した。利下げは4カ月連続で、下げ幅は計1.75ポイントに達した。

下限金利を示す翌日物借入金利も0.5ポイント減の10.5%に引き下げた。主要政策金利である7日物レポ金利は7.5%で据え置いた。

同国の5月のインフレ率は、過去3年で最低となった4月をわずかに上回る6.58%となった。直近の最高値である9.58%を記録した今年1月以降、順調に低下しているが、中銀目標の5%までには距離がある。

それでも利下げを続ける背景には、経済成長を優先して緩和を求め続ける政府の圧力がある。エルドアン大統領には「高金利がインフレを引き起こす」という独特の持論があり、過去に「金利が高すぎる」と公に中銀を批判した例も多い。4月に就任したチェティンカヤ中銀総裁は、大統領の強い圧力の下で中銀の独立を確保するだけの手腕に欠けるとみられ、就任以来、金利を4カ月連続で引き下げている。

中銀は、金融引き締めを基本姿勢として維持しながら、インフレ動向や価格設定行動などに基づき、金利を設定していくと説明している。しかし、アナリストの中には利下げ継続への懸念が強まっている。(東欧経済ニュース2016年6月1日号「トルコ、翌日物貸出金利を9.5%へ引き下げ」を参照)

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