セルビア利下げ、7日物レポ金利4%へ

セルビア中央銀行は7日、主要政策金利である7日物レポ金利を4.25%から4%に引き下げた。通貨安の誘導、物価の押し上げが狙い。主要政策金利と最高・最低金利の差(金利コリドー)も従来のプラスマイナス1.75ポイントから1.5ポイントに縮小した。英国の欧州連合(EU)離脱問題で市場が不安定になっていることを受け、市場はレポ金利の据え置きを予想していた。

中銀は利下げの理由として、インフレ率が低水準にとどまっていることを挙げた。5月も0.7%と、依然として中銀目標(2.5~5.5%)を大きく下回っている。一方、財政・経常赤字の縮小、マクロ経済指標の改善も金融緩和の要因となった。

国際通貨基金(IMF)は先月、セルビアに対して財政緊縮と経済の生産性向上を強く求めると同時に、今年の経済成長見通しを従来の1.8%から2.5%へ引き上げた。また、緊縮財政を維持すれば、今年の財政赤字を目標とする国内総生産(GDP)比4%を大きく下回る2.5%まで圧縮できるとみている。

セルビアの課題はまず、4月の選挙を受けた新内閣の組閣だ。ヴチッチ首相率いる与党・セルビア進歩党(SNS)は欧州連合(EU)加盟に向けて痛みの伴う改革を実施するに当たり、民意を問うために前倒し選挙を実施した。過半数議席の確保に成功したが、改革を共に進める連立パートナー選びは難航している。

新政権は財政支出の削減に向けて、膨大な赤字を出す国営企業の閉鎖・売却などの懸案を実施に移すことを迫られる。

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