未来のスパイが身元を公開~ロシア

ロシア連邦保安庁(FSB)といえばソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関の一つで、防諜・犯罪捜査を担当する「スパイ組織」だ。その将校となるにはモスクワのアカデミー(士官学校)で4年間の教育を受けなければならない。厳しい条件で選び抜かれた全国のエリートが集まっていると言ってよい。

ところが、そのアカデミーの卒業生が先月、ロシアを守るスパイとしての自覚を欠く行動をしでかした。黒いベンツ30台で、パレードさながらにモスクワ市内を「練り歩いた(走った)」のだ。

「身元が割れないよう慎重に行動する」(ミハイロフFSB退役少将)のがスパイの「いろは」だが、これらの卒業生はパレードの様子をインターネットで公開した。交通違反する様子も映っているし、サンルーフや窓から伸びる顔もはっきりわかる。

さらにソーシャルネットワークで写真を名前付きで公開したという。スパイ名簿として活用できる内容で、卒業生の今後の配置は難しくなりそうだ。

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