トルコ・アンタルヤ空港の利用客が激減、治安への懸念が背景に

独空港運営大手フラポートがトルコICホールディングと共同で運営するトルコ西南部のアンタルヤ空港が利用客の激減に直面している。2014年には10年比で26.7%増の2,800万人弱まで増える順調な成長ぶりだったが、昨年は前年比で1.6%減少。治安悪化に対する不安が高まった今年上半期は前年同期の3分の2に落ち込んだ。

「イスラム国(IS)」など過激派によるトルコ・欧州でのテロ事件が相次いだことで、トルコの主要外国客であるドイツ人が休暇の目的地を変更していることが響いている。先月のクーデター未遂事件と、その後のトルコが強権的傾向を強めていることで今後も減少傾向が強まりそうだ。

ドイツに次いで多かったロシア人客も不景気・通貨ルーブル安を反映してほぼゼロに急減し、アンタルヤ空港の経営に影を落としている。

フラポートは厳しい現状を認識しながらもアンタルヤ空港の運営を継続する方針で、「中期的に状況が改善し、利用旅客数も危機前の水準に戻る」との見方を示している。

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