セルビア産フィアット車、ユーラシア経済連合に非課税輸出へ

セルビアのクネジェヴィッチ経済相は23日、同国内で生産したフィアット・クライスラー(FCA)の自動車をユーラシア経済連合(EEU)に非課税で輸出するための条件が整ったとの見解を示した。同輸出に反対していたカザフスタンが支持を表明したことを受けたもので、細部の調整を経て輸出が開始される見通しだ。

FCAは今夏、需要縮小を背景にセルビアのクラグイエヴァツで操業する工場で従業員を3分の1近く減らし、減産体制に入った。同社は国内最大の輸出企業で、その業績がセルビア経済に与える影響は大きい。アナリストらはFCAが減産すれば、中央銀行による来年の経済成長予測(+3%)の達成が難しくなるとみる。

FCA製品の対EEU非課税輸出案は、2014年10月、ヴチッチ首相とプーチン大統領が会談した際に打ち出された。その後、加盟国のベラルーシ、ロシア、アルメニア、キルギスは支持を表明したが、カザフスタンだけが国内産業を保護する立場から承認に慎重な姿勢をとっていた。

カザフスタンのビシムバエフ経済相は23日の両国経済協力合同委員会で、非課税貿易を承認する判断について、「国内自動車産業が堅調な成長を示していることに加え、FCA車が国産車と競合しないという調査結果が出たため」と説明した。

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