トルコ中央銀行は23日、翌日物貸出金利(上限金利)を0.25ポイント引き下げ8.5%に設定した。利下げは6カ月連続。インフレ率が高水準で推移し、信用格付け引き下げの懸念が強まる中の判断で、市場では政府からの圧力が背景にあると推測されている。
7日物レポ金利は7.5%、翌日物借入金利(下限金利)は7.25%でそれぞれ据え置かれた。
7月のインフレ率は前年同月比で8.79%となり、前月の7.64%から加速した。中銀の年末予測である7.5%を大きく上回っている。中銀は今月9日、銀行の融資拡大に向けて銀行預金準備率を引き下げる緩和措置をとっており、インフレ懸念は強まる。
格付け会社のフィッチ・レーティングスは19日、先月15日のクーデター未遂事件を受け、トルコ国債の格付けを投資適格級で最低の「BBBマイナス」に据え置くとともに、見通しを「安定的」から「弱含み」に引き下げた。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは事件直後の7月18日に格下げの方向で検討する方針を示している。