アゼルバイジャン国営石油会社のソカール(SOCAR)は先ごろ、モンテネグロ、クロアチア、アルバニア政府と「イオニア・アドリア・天然ガスパイプライン(IAP)」の敷設計画で提携することで基本合意した。IAPをアゼルバイジャン産天然ガスを輸送するアドリア海横断パイプライン(TAP)に接続し、西バルカン諸国のエネルギー調達の可能性を広げる狙いがある。
IAP計画はアドリア海沿いに全長516キロメートルのパイプラインを敷設するもので、アルバニアのフィエルからモンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナを経由してクロアチアのスプリトを結ぶ。TAPにはアルバニアで接続する。年間輸送能力は50億立法メートルで投資額は6億1,000万ユーロを見込んでいる。
一方のTAPはアゼルバイジャンのシャーデニスIIガス田から天然ガスをアドリア海経由でイタリア南部まで輸送する「南ガス回廊」の一部だ。ギリシャ国境からアルバニアに入りアドリア海を渡り、全長は870キロメートル。英BP、伊スナム、ソカールなどが参加している。(東欧経済ニュース2015年3月18日号「クロアチアとモンテネグロ、アドリア海沿いにパイプラインを建設」を参照)