ロシア大手銀VTB、英拠点の移転を検討

ロシア金融大手の国営VTB銀行は11日、英国の欧州連合(EU)離脱が決まったことを受けて、ロンドンにある欧州の投資銀行業務を統括する部門の移転を検討していることを明らかにした。英のEU離脱に絡んで業務移転に言及したのは、大手金融機関で初となる。

VTBは資産額ベースで国内2位の銀行。投資銀行統括部門の移転は、11日付の英フィナンシャル・タイムズがヘルベルト・モース副会長兼最高財務責任者(CFO)の話として、最初に報じた。年内に移転の是非を判断するという内容で、同副会長は移転先としてフランクフルト、パリ、ウイーンなどが候補に挙がっていることを明らかにした。

モースCFOによると、2014年のウクライナ危機発生後に課された制裁措置の結果、ロシアでは大企業がドル資金の借り入れを減らすなど「非ドル化」が進んでいる。企業は外貨を外資系銀行からVTBや同国1位のズベルバンクに移しており、VTBが持つ外貨は昨年20%増加したという。また、同行は今後欧州と米国での事業を縮小し、インド、中国、ベトナムなどアジアでの拡大を目指していると述べた。

VTBは同日に発表した声明で、報道内容が大筋で事実であることを確認。移転するかどうかについては、英国がどのような形でEUを離脱するかによって判断する方針を示した。

上部へスクロール