ウクライナ政府は10月27日、最低賃金を来年1月1日付で月額3,200フリブナ(約113ユーロ)に引き上げることを閣議決定した。現行の1,450フリブナから120%以上の増加となる。同国では国内総生産(GDP)が今後、拡大に転じると予測されており、政府は賃上げを通じて景気拡大に弾みをつける考えだ。
同国では就労者の25%に当たる約400万人が最低賃金で働いている。ポロシェンコ大統領は今回の決定について「貧困の撲滅と被雇用者の保護に向けた取り組みだ」と述べた。
国際通貨基金(IMF)は4日に発表した世界経済見通しで、同国のGDP成長率が昨年のマイナス9.9%から今年はプラス1.5%に転じ、来年には2.5%へと加速するとの予測を示した。
インフレ率は昨年11月の年率46.6%をピークに今年6月には6.9%まで低下した。9月は7.9%へと上昇したものの、ここ数カ月は8%前後の水準が続いている。(1UAH=4.03JPY)