英国のネットリサーチ及びマーケティングを行う「We are social」は先ごろ、世界各国のネット環境や利用状況に関する調査結果を発表した。「2017 Global Digital」と題する同報告書によると、中央アジア地域におけるインターネット普及率は平均48%で、アフリカ、南アジアに次いで低い水準にあることが分かった。最もネット普及率が高かったのは北米の88%。東欧地域は67%だった。また中央アジアにおけるソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及率は世界で最も低い7%でアフリカの14%を下回った。同地域ではカザフスタンのネット普及率が最も高く、総人口の約3分の2がインターネットを利用していることがわかった。また、新興国市場ではプリペイドのSIMカードなどを1人で複数枚持つことが多いため、携帯通信の加入者数が総人口を上回るケースが見られた。
国別にみると、人口約1,700万人のカザフスタンでは、SIMカードを持つ携帯通信の加入者数は2,543万人に上った。一方ソーシャルネットワークサービス(SNS)に対する関心を示したのは17%に当たる310万人に過ぎなかった。モバイル機器によるSNSの利用者数は人口の10%に相当する約180万人だった。
カザフスタンを人口で上回るウズベキスタン(約2,900万人)のインターネット利用者数は総人口の約半数に過ぎなかった。一方モバイル普及率は約70%に相当する2,138万人だった。SNSの利用者数は人口の約3%に当たる77万人で、モバイル機器によるSNSの利用者数は人口の2%に当たる57万人にとどまった。
キルギスにおけるSIMカード保有者数は749万人で、同国の総人口608万人を上回った。インターネットの利用者数は208万人で普及率は34%だった。一方SNSの利用者数は人口の10%に当たる60万人、またSNSのモバイル機器による利用者数は41万人で人口の7%に過ぎなかった。
インターネットユーザーの数が最も少なかったのはタジキスタン(人口840万人)だった。同国での利用者数は166万人、人口の19%だった。
同調査は民間事業者、市場調査会社、政府資料、NGOなどのデータを用いて行われた。普及率は人口当たりの契約者数やアカウント保有者数に基づき算出されている。