ロシア中央銀行直轄の決済機関である国家決済カードシステム(NPSC)が米クレジットカード大手のマスターカードと提携交渉をしているもようだ。NPSCが発行する決済カード「ミール」とマスターカードの決済機能を併せた「ミール・マスターカード」を4,000万枚発行する方向という。
25日付の現地経済紙『ベドモスチ』によると、NPSCとマスターカードは昨年6月にもマスターのデビットカードブランド「マエストロ」の決済機能を合わせた「ミール・マエストロカード」の発行で合意した。しかし、マエストロの使える店舗が少なかったため中止した経緯がある。
NPSCは提携カード発行ですでにJCB、アメリカン・エキスプレスおよび中国銀聯(ユニオンペイ)と合意を結んだ。米ビザとは昨年末から交渉に入っている。
ミールは、ウクライナ紛争をめぐる米国の対ロシア制裁の影響で、ビザとマスターカードがロシア金融機関の発行するクレジットカードへのサービスを停止したことから誕生した。2015年4月に運営が開始された。