チェコ国営鉱山企業、ウラン採鉱を終了

チェコ国営鉱山企業のディアモ(Diamo)は先ごろ、中東部のロジナーにあるウラン鉱山を閉鎖し、その60年の歴史に幕を下ろした。同鉱山のウランが枯渇したためだ。国内で唯一採掘が行われていた同鉱山の閉鎖により、同国のウラン採鉱はひとまず終了することとなる。

ディアモは今後、同鉱山の採掘跡の除去作業を行う。また、同鉱山を核廃棄物貯蔵所として活用する可能性を探るため、専門家による岩石検査を行なう見通しだ。

ディアモのトーマス・リュヒタリク社長はチェコでのウラン採鉱終了について疑問視し、中部イフラバ近郊のブルズコフでの新しいウラン鉱山開発を検討していることを示唆している。それに対し、ハブリセク産業貿易相は「新しいウラン鉱山開発の可能性を閉ざした訳ではないが、現時点では政府の議題に上っていない」と述べた。

ロジナーの埋蔵ウランは1956年に発見され、その1年後に採掘が開始された。以来、2万トンのウランを含有する1,700万トンの鉱石が採掘されて来た。同鉱山は中東欧地域で最後のウラン鉱山だった。

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