フィリップモリス、ルーマニア拠点をたばこスティック工場に

たばこ大手の米フィリップモリスは25日、ルーマニアのオトペニ工場の生産品目を、紙巻たばこから加熱式たばこ用スティック「ヒーツ(HEETS)」へ全面的に転換すると発表した。設備調達や建物改修などに総額4億9,000万ユーロを投資する。すでに工事に着手しており、2020年にフル稼働する予定だ。これに伴い、従業員数は現在の600人から900人へ増加する。製品は主に輸出する。

生産するのは、フィリップモリスの加熱式たばこ「アイコス(iQOS)」専用のたばこスティックで、紙巻たばこに形状が似ている。アイコスのホルダーに差込みスイッチを入れるとスティック内の葉タバコが電気で加熱されて蒸気が発生する。これを吸い込むことでたばこが味わえるという仕組みだ。

煙を吸う従来のたばこに比べて加熱時の温度が低いため、有害物質の発生が少なく、健康への影響も小さいとされる。

フィリップモリスは将来的に紙巻たばこから撤退する方針で、「ヒーツ」への切り替えを加速させている。これまでに、◇伊ボローニャ工場の生産能力強化◇独ドレスデン工場の新設◇スイス・ヌーシャテル工場における「ヒーツ」生産ライン設置◇ギリシャ、ロシアの紙巻たばこ工場を「ヒーツ」工場に転換――といった計画を次々と発表している。まずは年産能力1兆本を整える方針だ。

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