ロシア国営ガス会社ガスプロムの輸出子会社ガスプロム・エクスポートは先ごろ、クロアチアの民間ガス会社プルヴォ・プリナルスコ・ドルシュトヴォ(PPD)と長期供給契約を締結したと発表した。期間は今年の10月1日から2027年末までで、年間供給量は10億立法メートル。今年の10-12月期は2億5,000万立方メートルを供給する。PPDは1-9月期に同社から14億8,000万立法メートルの供給を受けていた。
ガスプロム・エクスポートによると、同社はクロアチアの半国営企業INAインドゥストリヤ・ネフチェおよびプリロドゥニ・プリンとの間で2005年に締結された長期契約に基づき、10年までの期間に12億立方メートルの天然ガスを同国に供給した。12年から16年にかけては子会社のガスプロム・スイスが供給を引き継いでいた。
今回の契約についてロシア紙『コンメルサント』は、クロアチアの輸入需要を賄うことができる供給量だとし、同国のクルク島における天然ガス(LNG)ターミナル建設プロジェクトの計画決定に影響が及ぶ可能性があるとの見方を示した。同プロジェクトは当初オーストリアの石油・ガス大手OMVなどが計画し頓挫した後、クロアチア政府が主導して進めてきた。同政府によると欧州連合(EU)が約1億ユーロを支援することで合意が成立している。