ロシア複合企業En+、ロンドン証取に来月上場

ロシアの富豪オレグ・デリパスカ氏が率いる複合企業En+が来月、ロンドン証券取引所(LSE)に上場する。ロシア企業のLSE上場は、ロシアのクリミア併合問題で欧米の対ロ制裁措置が2014年に発動されてから初めて。ロシア株に対する投資意欲が市場にどの程度あるかが試されることになる。また、欧州連合(EU)離脱の決定で揺れるロンドン証取を後押しする効果も見込まれる。

En+が5日明らかにしたところによると、En+は新規株式公開(IPO)で15億米ドルを調達する予定。ロシアと中国の関係強化という政府の方針に沿い、中国華信能源(CEFC、上海)傘下の安安国際(旧CEFCインターナショナル)が5億ドル相当を引き受ける。

CEFCは先月、国営石油会社ロスネフチの株式14.16%を91億ドルで買収することを決めた。中国企業による一連の対ロ投資で最大の取引だ。ほかにもエネルギー関連で多くの契約が結ばれており、両国の業界企業が提携強化に動き始めている。

En+は金属・電力事業などを手がける。世界的なアルミニウム大手ルスアルに48%出資するが、アルミ相場の高騰に伴い、En+保有株の時価は年初以来87%増の約58億ドルに上昇した。

En+傘下の水力発電所は主にルスアルへ電力を供給しているが、中長期的に中国への電力輸出も視野に入れている。

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