資産額でギリシャ金融最大手のピレウス銀行は17日、セルビア事業を同国同業ディレクトナ・バンカに売却すると発表した。債務・金融危機で公的救済を受ける際にEUの欧州委員会と合意したリストラ策の一環となる。売却額は5,800億ユーロから6,100億ユーロの間で、来年1-3月期(第1四半期)の取引完了までの業績より決定される。
不良債権を抱えるピレウスは海外事業の縮小を進めていた。売却額の決定においてはピレウスのセルビア子会社の減資も考慮される。取引はセルビアの中央銀行とギリシャ金融安定化基金(HFSF)の承認を得て実施される予定。
ピレウスの海外事業縮小の動きについては今年6月にギリシャの現地メディアが報じていた。アルバニア、ブルガリア、ルーマニア、セルビアの完全子会社の売却のほか、不良債権等のエクスポージャーを2020年までに今年1-3月期の333億ユーロから200億ユーロ未満まで縮小することや、期日から90日を超えた延滞貸出債権を3月末時点の230億ユーロから80億ユーロまで減らすことなどが含まれる。
ディレクトナ・バンカは今年7月、BNPパリバから取得したフィンドメスティクバンカ・ベオグラードの買収を完了した。この買収により支店数は倍増、従業員数は400人となっていた。