三菱重工傘下の英社、トルコで納入の冷間圧延設備が稼働

三菱重工傘下の英鉄鋼エンジニアリング大手プライメタルズ・テクノロジーズは23日、トルコの鉄鋼メーカーであるトルヤル・トーヨー(イスタンブール)に納入した冷間圧延総合設備が稼働したと発表した。同国南西部のオスマニエ工場向けに受注していたもので、これにより、トスヤル・トーヨーは国内外の薄板市場に本格参入する。

プライメタルズによると、納入した設備は(1)酸洗設備とタンデム式冷間圧延機の直結ライン(2)錫めっき鋼板連続式焼鈍ライン(3)2回調質圧延を行う圧延ライン――で構成される。めっき鋼板と溶融亜鉛めっき鋼板、塗装鋼板を生産する。

(1)は欧州・中東・北アフリカ地域で初めて、プライメタルの特許設備「iBox酸洗設備」を採用した。高品質な冷延鋼板及びブリキ板の生産に用いられる鋼板を年100万トン製造する能力がある。

生産された鋼板は(2)と(3)でさらに加工される。(2)はさまざまな柔軟性・強度のブリキ鋼板(調質度:T1~T5)を年24万トン生産できる。(3)では、2次冷間圧延と2回調質圧延を行う「テンパーDCR」を採用。1回圧延で(2)と同じ調質度、2回圧延ならさらに剛性・強度の高い薄鋼板(調質度:DR6~10)を年30万3,000トン生産できる。出側板厚は0.12~0.3ミリとなる。

トスヤル・トーヨーは、トルコの製鋼会社トスヤル・ホールディング(イスケンデルン)と日本の東洋鋼鈑(東京都千代田区)が2012年4月に設立した合弁会社だ。出資比率はトスヤルが51%、東洋鋼鈑が49%。プライメタルズは14年後半にオスマニアの冷間圧延総合設備導入の元請け企業に選ばれていた。

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