トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領は、先ごろオープンした同国初のアシャガバード・ゴルフ場で新しい才能を披露した。何と246フィート(75メートル)の距離からホールインワンを決めたというのだ。「帝王」の愛称で知られるかつてのゴルフ王、ジャック・ニクラウスも祝福に歩み寄った。
なぜニクラウスがその場にいたかというと、彼の会社がゴルフ場設計を請け負ったからだ。ニクラウス自身は「トルクメニスタンではそれほどゴルフの人気がなく、ベルディムハメドフ大統領がなぜゴルフ場を作ろうとするのか分からない」と言いながらも、頼まれたので引き受けた格好だ。それも、始めはトーナメント用と練習用の2つだけのはずだったが、話し合いの中で首都アシガバードのほか、国内5州の全てに作ることになり、合計10カ所に増えたという。
大統領はゴルフ普及を目指しているらしい。「季節や年齢を選ばず、いつでも誰でもプレイできる」ゴルフが国民の健康に寄与するというのが理由だ。果たして国民にゴルフをたしなむほどの余裕があるかは眼中にない。
さて、気になるホールインワンの真相だが、公開されているビデオでは大統領の打った球が芝生をバウンドしていくのがわかるだけ。これがどうやってホールまでたどり着いたのかは謎のままだ。英『ガーディアン』紙が幾度もニクラウスの会社に質問したが、答えは返ってこなかった。
しかし、ディスクジョッキー(DJ)、ウェイトトレーニング、本の執筆、乗馬、射撃と万能ぶりを誇る大統領も、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の横では存在がかすむ。というのも、キム委員長は初めてのゴルフ・ラウンドを驚異の38アンダーでこなしたというからだ。委員長の警護人によれば、5ホール以上でホールインワンを決めたそうで、今回はベルディムハメドフ大統領の完敗といっていいだろう。