トルコ中銀、上限金利を0.5ポイント引き上げ

トルコ中央銀行は14日、政策金利のうち事実上の上限金利として機能している「後期流動性貸出金利」を0.5ポイント引き上げ、12.75%に設定した。金融関係者は少なくとも1ポイントの引き上げを見込んでいたため、中銀の判断に疑問符がついている。

翌日物貸出金利は9.25%、翌日物借入金利は7.25%、1週間物レポ金利は8%に据え置いた。

トルコ通貨リラが年初来、対米ドルで2割安となっているほか、11月のインフレ率が13%に上昇したことで、市場は利上げが不可避という見方でほぼ一致している。それにもかかわらず中銀が利上げをちゅうちょする理由は、エルドアン大統領が強く低金利政策を求めていることにある。

経済の過熱やインフレ高進への懸念はもちろんだが、経済専門家は経常赤字に注目している。トルコの経常赤字は4%に増えており、国外から流入する資金に対する経済の依存度が高まっている。米国など投資家に人気のある国々で金利が上昇した場合、トルコへの資金供給が減り、経済が打撃を受ける可能性が強いという見方だ。

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