ロシア、超音速旅客機の本格開発へ

ロシアのプーチン大統領は25日、最新鋭の超音速爆撃機「ツポレフ Tu-160M2」の実証飛行試験が行われたタタールスタン共和国カザンで、同型機を基にした旅客機を開発する計画を明らかにした。民間機製造業界の振興が狙いで、国内の大手航空会社による需要を見込む。国営航空機製造会社のユナイテッド・エアクラフト(UAC)はすでに開発準備に入っている。

「Tu-160M2」はソ連時代に開発された世界最大の爆撃機「Tu-160」の改良型だ。ロシア政府が2015年、カザン航空機工場における生産計画再開を決めた。新型機では、制御システムや航空計器、通信システム、レーダー・無線電波妨害装置を刷新し、燃料消費制御やエンジン運転効率も向上しているという。

航続距離は1万2,000キロメートル。やはり25日にウリャノフスクで初飛行した空中給油機「イリューシン Il-78」と組み合わせれば、着陸しないまま世界一周することもできるようになる。

ロシアはソ連時代にも、英仏共同開発の超音速旅客機「コンコルド」に対抗するツポレフ「Tu-144」を開発したが、1973年パリ航空ショーでの墜落事故や、高燃費による採算性の悪さを理由に、本格的な運用には至らなかった。

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