ベラルーシの森が危機に瀕している。キクイムシ科の害虫が大量発生し、マツを枯らしているのだ。被害面積はすでに5,000ヘクタールを超えた。
南西部ブレスト州ドロヒチン地区の森林当局によると、「被害はまだ始まったばかり」。現在、同じブレスト州のピンスク、ストリン、ルニネツ地区からドロヒチン地区に広がりつつある状況だという。キクイムシは半年で数ヘクタールの森を枯らし、幼木も若木も成木も食われてしまう。
このキクイムシは寒さに強く、マイナス36度の厳寒でも死なない。健康な樹木を守るには、虫が越冬中の今、被害木や丸太などの発生源を除去しなければならないという。この機を逃すと殺虫剤の使用を検討しなければならなくなるが、豊かな森の生態系への影響を考えると、使わなくて済めばそれに越したことはない。時間との闘いだ。
今後の対策としては、マツを植林するときに、キクイムシに強いシラカバも植えることが計画されている。また、ブレスト工科大学のズヴャヒンツァウ氏は、「監視方法を見直して、虫の発生をより早く察知できるようにすべき」と話す。というのも、キクイムシは樹皮の下に隠れており、ちゃんと調べないと見逃してしまいがちだからだ。