日本たばこ産業(JT)は16日、ロシアの同業4位ドンスコイ・タバック(DT)を買収することで合意したと発表した。取得額は900億ルーブル(約1,710億円)。JTはロシアで33.2%のシェアを占める最大手だが、DTの買収でシェアは40%に達し、中国、インドネシアに次いで世界3位のたばこ市場であるロシアで業界トップの座を堅固なものにする。
JTは2018年第3四半期の手続き完了を見込んでいる。DTは旗艦ブランドの「ドンスコイ・タバック」のほか、「キス」「プレイ」など低価格帯の製品が中心で、「ウィンストン」「キャメル」といったJTのブランドポートフォリオを補完する。
岩井睦雄副社長は「DTの買収は、ロシア首位のたばこ会社としての地位をさらに確固たるものにするという、JTグループの決意の表れだ。DTは短期的な利益成長に貢献するほか、中長期にわたるシナジー効果も見込んでいる」とコメントした。
JTは今回、ロシアのペレスラブリ・タバック(PT)とギリシャのSyneteristiki Kapnoviomihania Ellados Sekap(SEKAP)の買収も併せて発表した。有利子負債を合わせた3社の買収総額は1,000億ルーブル(約1,900億円)に上る。(1RUB=1.84JPY)