中国の複合企業、中国華信能源(CEFC)がチェコ・スロバキア系の金融・投資会社J&Tファイナンス・グループへの出資拡大を断念した。CEFCの出資構成を変更する計画に付随するものと説明している。
CEFCは2016年3月、J&T株式を8億ユーロで追加取得し、出資比率を9.9%から50%を引き上げることでJ&Tと合意した。実現すれば、欧州連合(EU)の金融機関の実質的な経営権を握る初の中国企業となるはずだった。しかし、チェコ中央銀行が計画を許可せず、足踏みが続いていた。
CEFCはこのところ、中国当局による叶簡明会長の捜査や、資金不足によるロスネフチ株買収遅延など、社内が揺れている。すでに陳秋途社長が経営を率いており、叶会長は身を引くもようだ。