ポーランドのバイオテクノロジー企業マビオン(Mabion)が増資を実施し、1億7,500万ズロチ(約5,100万ドル)を調達する。資金は国内中部ウッジ近郊のコンスタンティヌフ・ウツキの工場拡張と、多発性硬化症の治療薬として効果が期待されるリツキシマブのバイオシミラー「CD20」の開発・販売に投資する。
増資に先立ち、3月末に既存株の第三者割当を行い、筆頭株主であるトゥイティ・インベストメンツが保有する約192万株を1株当たり91ズロチ(約21.7ユーロ)で売却し、売却額をマビオンに融資した。18日の株主総会で増資承認を得たうえで、マビオンが同数の新株を発行し、トゥイティへのローン返済に充てる。
既存株を買収しマビオンの新株主になったのは、欧州復興開発銀行(EBRD)、ポーランド開発基金傘下のPRFライフサイエンスをはじめ欧米のヘルスケアやライフサイエンス分野に強い機関投資家。EBRDは1,800万ドル相当を投資した。
マビオンは2007年に設立されたポーランド初のバイオ技術企業で、ヒト化モノクローン抗体を基礎とした先端バイオ医薬品の開発製造に取り組んでいる。現在、ガンおよび多発性硬化症などの炎症性疾患の治療薬の開発に注力している。(1PLN=31.59JPY)