2014年に破たんしたブルガリアのコーポレート・コマーシャル・バンク(KTB)の管財人は17日、国内銀行のインベストバンクにKTB子会社のビクトリア・バンクを完全売却すると発表した。取引額は明らかにされていないが、KTBがビクトリア・バンクに投資した金額を280万レフ(143万ユーロ)上回る水準という。取引には競争当局の承認が必要だ。
KTBは2014年6月、仏クレディ・アグリコールから子会社を買収し、ビクトリア・バンクに改名した。その直後に取り付け騒ぎが発生し、政府の管理下に置かれた。その後、外部監査で多額の超過債務が発覚。公的資金注入による再建計画が中止され、清算が決まった。
今回の取引では、昨年12月にインベストバンクと、ソフィアを本拠とするブルガリアン・アメリカン・クレジット・バンク(BACB)が買収案を提示。今年3月に中央銀行から取引の仮許可を受けていた。中銀の見方では、どの銀行が買収した場合でも、取引から半年以内にビクトリア・バンクの吸収合併が完了する見通しだ。
インベストバンクは今年2月末現在、総資産ベースで国内12位、ビクトリア・バンクは最小の銀行だ。ブルガリアでは、銀行21行と外国銀行の5支店が事業を展開している。(1BGN=67.56JPY)