トルコ中央銀行は4月25日、政策金利のうち事実上の上限金利と位置付ける後期流動性貸出金利を0.75ポイント引き上げ、13.5%とすることを決めた。通貨リラの下落を食い止めることで輸入コストを抑え、物価の安定を図るのが狙いで、上げ幅は市場予測の0.5ポイントを上回った。利上げは昨年12月以来、4カ月ぶり。主要政策金利の7日物レポ金利は8%、翌日物貸出金利は9.25%、翌日物借入金利は7.25%で据え置いた。
トルコは昨年、前年から4.2ポイント増となる7.4%の高成長率を記録した。だがリラは経常収支の悪化を背景に下落が止まらず、先月は対米ドルとユーロで8%落ち込んだ。同国の1月の経常赤字は71億ドルに上っており、リラ安の進行は赤字幅の一層の拡大をもたらす。
インフレ率は3月に10.2%となり、4カ月連続で低下したものの、依然として中銀が目標とする5%を大きく上回っている。中銀は声明で、「物価の安定を支援するため、慎重な金融引き締めの実施を決めた」と説明。必要に応じて「さらなる利上げを行う」考えを示した。