南アフリカの自動車部品持ち株会社メットエアーは1日、スロベニアの車載電池メーカー、トヴァルナ・アクムラトルスキ・バテリー(TAB)の買収に向けて意向表明書を提出した事実を明らかにした。自動車用電池の世界市場で10%のシェアを目指す戦略に基づいたもので、地域・事業の両面で大きなシナジー効果を見込んでいる。
メットエアーは買収価格として3億ユーロを提示し、独占交渉に入った。規模拡大によるシナジー効果で効率的な予算配分を実現し、リチウムイオン電池や電気自動車(EV)といった新技術の研究開発に資本を投入したい意向だ。
資金調達や株主の承認、関係当局の許可などすべての条件をクリアする必要があるため、取引が完了するのは早くて今年10-12月期(第4四半期)以降になる見通し。
メットエアーは自動車の動力源が化石燃料から電池へシフトしつつあるのを受けて、バッテリー市場でのシェア拡大を図っている。TABはリチウムイオン電池やEV用電池の開発で実績があり、戦略的観点から獲得に動いたもようだ。
メットエアーはルーマニアで子会社ロンバットを展開するほか、この春にはプライムモーターズと研究開発提携を結んだ。また、トルコでは2013年にムトゥル・アキュを買収した。両国事業の2017年売上高は現地通貨ベースで前年より31%増加したが、為替の影響でランド建てでは21.1%減少した。