米P&G、対ロ投資の継続を確認

米消費財大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は先ごろ、米国とロシアの関係が悪化する中でも対ロシア投資を継続する姿勢を改めて示した。今年は約5,000万米ドル(30億ルーブル)を物流及び増産に投じる予定だ。

今年の投資計画ではまず、モスクワの南方約200キロメートルに位置するノヴォモスコフスク工場に配送センターを新設する。既存拠点と統合して処理能力を高め、経費を削減する。2019年末頃に稼働する予定だ。

また、サンクトペテルブルクのひげそり製品(ジレット)工場で生産ラインを刷新し、年産能力を25%引き上げる。

2014年のクリミア半島併合を受けた欧米の対ロ制裁や、原油相場の低迷でロシア通貨ルーブルが下落したことを受け、P&Gの事業環境は急速に悪化していた。マリニディス東欧・中央アジア事業取締役によると、全商品のうち販促活動を通じて販売されるのが60~80%、割引率は最大40%に上っている。

対策としてP&Gでは現地生産を増やしており、現在ではロシア市場に出荷する商品の半分が現地工場で作られている。また、ノヴォモスコフスク工場では製品の80%が国内向け、20%が欧州・中央アジア向けとなっている。

P&Gは2016~17年にもロシアに60億ルーブル(8,270万ユーロ)を投資した。これを合わせた対ロ投資残高は8億ドルを超えているという。(1RUB=1.76JPY)

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