ブルガリア国営送ガス会社ブルガトランスガス(Bulgartransgaz)は先ごろ、建設が検討されている天然ガス中継基地(ハブ基地)「バルカン」の実現可能性調査(FS)の中間報告を欧州委員会に対して行い、基地への輸送ルートとしてトルコ経由、または建設予定地である黒海沿岸のヴァルナ近郊への直接ルートの2つが有望だとする調査結果を明らかにした。その他にはギリシャやトルコにある既存のインフラの利用や、新施設の建設も候補に挙げた。
欧州連合(EU)はガス調達先多様化の観点から同計画を支援している。現在検討されている天然ガスの供給元としてはロシアのほか、アゼルバイジャン領カスピ海、ブルガリアとルーマニアの黒海の深海域がそれぞれ挙がっている。このうちアゼルバイジャン産ガスはアドリア海横断パイプライン(TAP)とアナトリア横断パイプライン(TANAP)を経由する。
ブルガリア政府はヴァルナ近郊にEUの資金でハブ基地を建設し、ギリシャと東欧諸国を経由してEU加盟国にガスを供給するという提案を2014年に欧州委員会に対し行っていた。
ブルガリアは天然ガスのロシア依存度が高く、国内需要量のほぼ全てをウクライナとルーマニア経由でロシアから輸入している。(1BGN=66.50JPY)