露ズベルバンク、アグロコルの筆頭株主に

経営難に陥っている南東欧食品最大手のアグロコル(クロアチア)は19日、ロシア最大手銀行の国営ズベルバンクが株式39.2%を取得し筆頭株主となったことを明らかにした。アグロコルの臨時債権者会議で決定した債権の取り扱いに関する合意に伴うもので、ズベルバンク以外の株式取得率は、債券保有者が24.9%、現地金融機関が15.3%、ロシア2位の国営VTB銀行が7.5%、アグロコルへの納入業者が4.7%となっている。

このうちアグロコルへの納入事業者では、食品事業やホテル事業などを手掛ける複合企業のアドリス・グルパの持ち分が最大で1.4%を占める。合意文書によると、納入事業者は債権の60%、金融機関は20%までの請求権を持つ。また債券保有者の請求権は40%から80%までの間とされている。

納入事業者との間で成立した合意は、昨年4月にアグロコルの債務処理が開始される以前に生じた債務の返済をアグロコルが実施するというもの。ズベルバンクとの合意では、アグロコルのグループ企業、主要17社の営業利益(EBITDA)が一定の額を上回った場合に、同行が2021年までの期間、毎年返済を受ける権利を得るとされている。

2018年のEBITDAの基準額は2億4,500万ユーロで、21年まで徐々に増加し最終的に2億8,800万ユーロとなる。ズベルバンクに対する4度に渡る支払いの総額は最大6,000万ユーロとされている。

ズベルバンクと他の債権者は最も古い債務の支払い期限を2019年半ばまで延期することで合意した。

今回の債権者会議における7,300ページにわたる決定事項は今後、首都ザグレブの商務裁判所に送付され、その後15日以内に改めて債権者会議を開き7月10日までに最終的な決定がなされる予定。手続きの実施には3~4カ月かかると見られている。

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