ロシア産の天然ガスを黒海・トルコ経由で欧州に供給するパイプライン「トルコ・ストリーム」の延長計画が具体化してきた。22日付の露経済紙コメルサントが関連国のガス輸送事業会社の今後のガス調達計画をもとに報じたところによると、供給開始はブルガリア、セルビア向けが2020年、ハンガリー向けがは21年、スロバキア向けが22年後半となる見込み。これにより22年からはウクライナ経由での欧州へのガス供給が停止する可能性がある。
ブルガリア区間のパイプライン敷設の投資額は16億3,000万ドルを予定する。計画によると、同国北東部プロバディヤの既存コンプレッサーステーションの近くと、セルビア国境近くのラソボに新たにコンプレッサーステーションを建設し、474キロメートルのパイプラインで結ぶ。ラソボからはさらにセルビアのザイェチャル近くまで延長する。同ルートは14年末に計画中止となった黒海経由でブルガリアに至るパイプライン「サウスストリーム」にほぼ沿った形だ。
今月19日にトルコ・ストリームの黒海区間が完工したことを受けて、ロシア国営ガスプロムとトルコ政府は、ギリシャとブルガリアから西欧に至るパイプラインに連結するための陸上延長区間の建設で合意を交わした。