ロシア第2位のガス会社ノバテクが主導するヤマル液化天然ガス(LNG)プロジェクトの運営会社は26日、ノルウェー・ホニングスヴォーグ港の近海で、船舶間でのLNG積み替えを初めて実施したと発表した。運送費を軽減する目的で、積み荷は欧州北西部に輸送される。
LNGはヤマル半島のサベッタ基地から極寒地仕様の砕氷タンカー、ヴラジミール・ルサノフ号で運ばれてきた。同号よりも対氷性の低いプスコフ号に積み替えることで、経費が抑えられる。
ノバテクは今後、LNG輸送力の強化に向けて、カムチャツカ東部沿岸のベチェビンスカヤ湾と、ムルマンスク州北部のウラ湾にLNG積み替え基地を建設する計画だ。
ヤマルLNGプロジェクトにはノバテクが50.1%、仏トタルと中国石油天然気集団(CNPC)が各20%、中国政府系のシルクロード基金が9.9%出資している。北極圏にあるユジノ・タンベイ鉱床から産出する天然ガスを原料とし、昨年12月から生産を始めた。今年8月に第2プラントが稼働している。