ポーランド出版大手アゴラ、民放ラジオ大手を共同買収

ポーランドの新聞出版大手アゴラは20日、国内2位の民放ラジオ放送会社ユーロゼットをSFSベンチャーズと共同買収すると発表した。親会社の持ち株会社チェコ・メディア・インベスト(CMI)が持つ株式の40%をアゴラが1億3,100万ズロチ(3,429万ドル)で取得。残る60%はSFSベンチャーズが取得する。アゴラは今後3年間、SFSが持つユーロゼット株を買収する権利を得る。

ポーランド政府は、ユーロゼットの売却先としてアゴラより、政府寄りのメディアグループ、フラトリアを望んでいたため、今回の取引を不快に受けとめるとみられている。

アゴラはポーランド有力全国紙『ガゼタ・ヴィボルチャ』を発行する出版大手で、独立系メディア支援を目的とするメディア・ディベロップメント・インベストメント・ファンド(MDIF)から出資を受けている。今回、ユーロゼットの多数株を取得するSFSベンチャーズにも同社が出資している。MDIFは、ハンガリー出身で民主化支援活動でも知られる富豪ジョージ・ソロス氏が出資者の一員となっており、ハンガリーにならってメディア統制を強めたいポーランド政府の神経を逆なでしそうだ。

CMIは富豪のダニエル・クレチンスキー氏が共同出資する投資会社。昨年、仏メディア大手ラガルデールの中東欧事業を買収し、ユーロゼットを傘下に収めていた。(1PLN=29JPY)

上部へスクロール