独電機大手シーメンスは先ごろ、独複合企業ティッセンクルップ子会社のティッセンクルップ・インダストリアル・ソリューションズ(TIS)とハンガリーにおける変電所関連設備の供給契約を結んだことを明らかにした。取引額は明らかにされていない。同設備はハンガリーの石油大手MOLが建設する化学工場に対しTISが供給するもので、昨年9月にTISとMOLの契約が成立していた。
シーメンスが供給するのは、プレハブ型で柔軟に設置することができるE-Houseと呼ばれる電力供給設備。今回の契約では複数のモジュールを持つ7つのE-Hausを納入する。各設備は中低電圧のシステムと系統監視制御システム(SCADA)を備えているほか、火災消化装置など信頼性を高める機器が採用されている。
MOLの化学工場の建設予定地はハンガリー北東部のティサウーイバーロシュで、敷地面積は40万平方メートル。工場では自動車などに使用されるポリウレタンの原料であるポリエーテルポリヨールを主として年間20万トン生産し、中東欧諸国に輸出する。投資額は12億ユーロで、2021年の稼働を予定している。