独自動車大手ダイムラーは3日、ロシアのモスクワ州でメルセデスベンツ乗用車工場の開所式を行った。投資額は2億5,000万ユーロ。1,000人以上を雇用し、ロシアの国内市場向けに生産する。これにより同社は従来の小型商用バン(ニジニ・ノヴゴロド工場)に加え、乗用車もロシアで生産するようになった。
モスクワ北方40キロのエシボヴォ工業団地内に新工場を開設した。敷地面積は85ヘクタール、年産能力は2万5,000台。車体製造から塗装、組み立てまで行う一貫工場で、複数のプラットホーム(車台)を1つのライン上で混流生産できる。まずはメルセデス「Eクラス・リムジン」を製造し、その後SUVモデルの「GLC」、「GLE」、「GLS」を加えていく予定だ。
開所式にはロシアのプーチン大統領、ドイツのペーター・アルトマイヤー経済相、ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長が出席した。
ロシアの乗用車・小型商用車市場規模は2013年に約280万台を記録した。市場はその後、縮小に転じたものの、昨年は前年比で12.8%増加。180万台まで回復した。低価格モデルを展開する国内自動車最大手のアフトワズと韓国の起亜自動車、現代自動車がトップ3を占める。メルセデスは販売台数3万8,000台で15位に付けた。