電気自動車(EV)大手の米テスラが年内にも東欧事業を本格化する計画だ。イーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が6月26日、ツイッターで愛好家の質問への返答で明らかにした。
テスラは欧州市場には参入済みだが、市場規模の小さい東欧には進出していない。このため同地域の愛好家は他の国で購入して自国に輸入し、保守・修理も国外で行わざるを得ない。
今回のマスク氏の返答は、ウクライナの愛好家からスーパーチャージャー(超高速充電設備)の整備を請う動画が同氏に届けられたことが発端。マスクCEOはこれに「OK」と答えるとともに、「2020年に東欧事業拡大が成るか」との質問には「おそらく、それより早い時期になる」と回答した。
テスラは過去に、ポルトガルやアイスランドの愛好家の嘆願後にこれらの国へ進出した経緯がある。
現在同社は、東欧最初の拠点としてチェコに販売サービス拠点を整備している。またブルガリアでは来年からスーパーチャージャーを設置する計画だ。
■拡大する東欧EV市場、充電網整備も進む
ロシアを除いた東欧におけるEVの主な市場は、ポーランド、ハンガリー、チェコとなっている。保有台数はポーランドが2,981台、ハンガリーが3,128台、チェコが2,473台。アナリストはチェコについて、保有台数が2020年までに1万台、30年までに25万台に拡大すると予測する。
高速充電設備網の整備も進行中だ。ハンガリー石油大手MOLは国内と、ルーマニア、クロアチア、スロベニア、スロバキア、チェコで700基を設置する。また、独エーオン、クロアチアHEP、スロベニアのぺトロールのエネルギー各社と、独BMW、日産のハンガリー子会社は共同で、チェコ、スロバキア、ハンガリー、クロアチア、スロベニア、ルーマニアに合計252基を整備する。